たった今卒業証書を授与された7名の卒業生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。今日のこの日は皆さんの夙川中学校を卒業されると同時に、区切りの日だと思います。何の区切りか、それは皆さんが、子どもから大人になられる区切りの日だと考えています。いやもう充分大人だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。そうでしょうか。
 今までの中学校の3年間は義務教育でした。皆さんのお父さんやお母さんが勉強させなければならない、義務を負っておられる。そういう学びの時でした。これから皆さんが進まれる高等学校。内部に上がられる方もいますし、外部に出られる方もいます。これからの学びは「やらされる学び」ではありません。皆さんが「自ら進んで行う学び」であってほしいと思います。
 話しを戻しますと、子どもと大人の違い。なんでしょう。浮かんでくるのは子どもは大抵、わがままです。自分の事しか考えない。子どもは思い通りにならないと、駄々をこねます。子どもは自分の言った事に対して、無責任です。言った事とやっている事が違う子どもがたくさんいます。そして子どもは我慢が出来ない。皆さん、自分はまだ子どもだなと思う部分は残っていませんか。明日から急に大人になる事が出来るわけではありません。今申し上げた事の中で、もし思い当たる事があれば、「我慢が出来ない」「すぐに怒る」「自分の事しか考えない」「無責任である」 1つずつでいいですから、取り組んでみて下さい。実は、時間が過ぎると勝手に大人になる訳ではありません。大人になる為の努力、をしないと子どものまま、子どもの心と言葉と行動のまま性格のまま、人間性のまま大人になってしまうかもしれません。周りを見回して頂いて、あの人大人だけど子どもっぽいなと思う人がたくさんいるでしょう。「私を含めてですけれど」ですので、子どものまま大人にならない為に、私は皆さんにお願いをしたいと思います。 今日のこの卒業という区切りを迎えて、子どもだった自分に別れを告げて、どうか大人になる努力、「人の事を考える」「今まで以上に少し我慢をしてみる」「自分の言った事をやり遂げてみる」「すぐに怒らない」努力をしていって下さい。皆さんがこの先、自分自身のやりたい事、自分自身が得意な事、自分自身が好きな事、その事を精一杯やり抜かれて、輝かしい結果を召される事を願っています。

 では子どもに別れを告げられた皆さん、これからの健闘を祈っています。卒業おめでとう。

2020年3月18日 中学校校長 西 泰子