先ほど入学を許可された須磨学園夙川高等学校新入生の皆さん、私達は皆さんが入学されるこの日を待っていました。今日のこの式は昨年からの私達や皆さんの経験の積み重ねの上に行われています。昨年の入学式はコロナ禍の第一段階であり、緊急事態宣言の元でしたので、Web配信でおこないました。今年のこの式も明日から、蔓延防止等重点措置が発出される中での式になりました。形は限定的ではありますが、今日直接皆さんとお会いできてとても嬉しく思っております。改めて申し上げます。ご入学おめでとうございます。私たちは皆さんを心より歓迎致します。これからの3年間、どうぞよろしくお願い致します。

 保護者の皆さん、ご子息・ご子女のご入学を心よりお慶び申し上げます。これからの3年間、夙川高等学校の学校運営は保護者の皆さんのご理解とご協力なくしては成立いたしません。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 さて新入生の皆さん、皆さんは9年間の義務教育に別れを告げて、今日から新しい生活に入られます。これからの3年間は皆さんが将来どういう大人になりたいか、どういう大人になって社会と関わっていくのかを、その大きな方向を決める大切な3年間です。この学校の生徒になられるにあたって、皆さんに申し上げたいことが2点あります。

 1点目、「当たり前のことを当たり前にしてください。」とてもシンプルなことです。夙川は世間ではいささか厳しい学校になるのではないかと言われています。色んな校則やルールがあります。制服をきちんと着る、時間を守る、制携帯などもあります。予習・復習をきちんとやる。当たり前です。そして授業は厳しいです。授業はきちんときく。これも当たり前のひとつです。夙川の校則やルールは、全てが世間で言うところの当たり前です。もし妙な校則があれば教えてください。当たり前でない校則があれば、みなさん意見としてだしてください。「先生これは世間の非常識です。当たり前でない。」と言ってください。当たり前の事を当たり前に行う、シンプルなことですが実はさほど簡単なことではありません。でもとても大切なことです。夙川高等学校では当たり前のことを当たり前にしていただく。これは集団で学校生活を送る上で最低限のことです。そして、その上で自分のやりたいことをおやりください。

 2つ目です。2つ目は「相手の立場に立って、物事を考える」ということです。当然のことですが、自分がされたら嫌なことは相手にしない。これを皆さん実践されていると思います。自分がしてもらいたいことを相手にする。これも、皆さん実践してくれていると思います。でもそれだけでは足りません。相手の立場に立って物事を考えてください、みなそれぞれ価値観は違います。「人のことなんてわからない。」そうです、わかりません。ではそうすればいいか。必要なことは想像力を働かせることです。これはイマジネーションの問題です。想像力を働かせて、相手の立場に立って問題を考えて、相手の気持ちを考えて行動すること。このことをすることによって、人とより深く理解しあえる関係が築いていけると思います。

 これからの2年と11ヵ月が皆さんにとって、密度の濃い時間になることを期待しています。明日への学びを実践していきましょう。

2021年4月3日 理事長 西 泰子