肌寒い風が吹きつつも、春の訪れがもうすぐそこに感じられる今日この日、私たちは卒業します。今日この佳き日、保護者の皆様、教職員の皆様、ご来賓の皆様のご臨席の元、私たちK3学年57名のためにこのような盛大な式を挙行していただき心からお礼申し上げます。コロナ禍のオンラインでの入学式から早くも三年が経ち卒業の日を迎えました。 卒業にあたり感謝を伝えたい人、思い返したい思い出があります。
理事長先生。先生が入学式で仰っていた「一日の怠けを取り戻すのに数日かかる」という言葉を強く覚えています。私は、この言葉のお陰で自粛期間中も怠けずに勉強に取り組めました。これからもこの言葉を教訓に頑張りたいと思います。理事長先生は、私達が学びやすい環境を作ってくださいました。三年間安心して学校生活を送ることができました。本当にありがとうございました。
学園長先生。東京研修でのテーブルマナー講習の際は、ノンアルコールのシャンパンを飲ませて下さったり、エリザベス女王に関する話、大人としてのマナーを教えていただきました。このような貴重な経験は他の学校では出来なかったと思います。また、考査終わりの理事長先生と学園長先生からのアイスクリームは疲れた身体に沁みました。ありがとうございました。
数学科の担任の先生。先生は三年間、私達の舵をとって下さいました。先生は勉強や受験に熱い一面だけでなく、「メネラウスの定理を活用すること」を「めねる」と言ってみたりと若々しい一面も見せてくださいました。数学の授業中は誰よりも楽しそうで、本当に数学がお好きなんだなと思いました。そんな姿を見て、私も何か人生をかけて熱中できることを見つけたいと考えたこともありました。私達への熱い指導は私達の可能性を円周率のように限りないものにしてくださいました。本当にありがとうございました。
英語科の先生。連続出勤日数を聞き心配になったことも都度都度ありましたが、その事が私達の「結果で応えたい」という思いに繋がっていました。英語だけでなく進路や面接、生活面など様々な方面から支えてくださいました。困った事があり、相談すると持ち前の仕事の速さであっという間に解決してくださるので甘えていた部分もありました。三年間わがままだらけの私達を支えてくださり有難うございました。いつまでも生徒の味方であってください。
国語科の先生。まるで近所のおばちゃんかのように接しやすく、男子生徒に負けないぐらいエネルギッシュな先生でした。長年の経験から生徒一人一人の性格面を理解し向き合おうとしてくださいました。夙川一筋の先生がこれからもここで元気に教師を続けてくださることを願っています。
社会科の先生。先生は一緒に恋バナをして下さったりと親しみやすい一方で現役で武道をしていたり、大きなバイクに乗っていたりとかっこいい一面もあり、まるで頼れるお姉ちゃんのような先生でした。行事では私達と一緒に楽しんで盛り上げてくださいました。これからも生徒と距離の近い先生でいてください。
体育科の先生。とにかく優しく、明るい先生。受験期には体育の授業が息抜きになるよう工夫してくださいました。また、先生の抱擁力のある性格が受験期や大会前の心を支えてくださいました。私が受験に受かった際は笑顔でハイタッチをして下さった事は一生忘れないと思います。ありがとうございました。
これらの先生以外にも私を最後まで信じて下さった先生、わがままを言ったのにも関わらず私を頼りにして下さった先生、いつでも嫌な顔ひとつせず質問に答えて下さった先生、いつも温かく迎えてくださった先生など感謝を伝えたい人がたくさんいます。三年間本当にありがとうございました。
2期生の私達。賑やかで元気に溢れていて体育祭で人手が足りない時は補い助けあった1組と、一人一人の個性が強く喧嘩もたくさんしたけれど体育祭の優勝が決まる団対抗リレーでは全員が身を乗り出して応援しあった2組。私達はコロナ禍で始まり、不安や不自由を抱えながらも人生に一度しかない高校生活をかけがえのないものにしました。この山あり谷ありの三年間は一生忘れないと思います。そして、ずっと隣にいてくれた友達、同じ趣味で盛り上がった友達、遠い街にも連れ出してくれた友達、最後まで一緒に頑張ってくれた友達、たくさん喧嘩した友達。三年間ありがとう。楽しいことばかりでは無かったけれど、それも今では大事な思い出です。みんなに出会えて本当によかった。
在校生の皆さん。先ほどは心温まる祝辞をありがとうございました。卒業を迎える今わかることは三年間はあっという間だということです。皆さん、悔いの残らないよう過ごしてください。 そして、この学校は100でぶつかると200で返してくれる学校です。全力でぶつかり、夙川の新たな1ページを作ってください。
私の両親へ。普段気持ちを伝えるタイプではないけれど、この場を借りて言わせていただきます。したいことは全部応援してくれてありがとう。たくさんわがままを言ったり当たってごめんなさい。2人の子供で本当によかったと思っています。これからもよろしく。
私自身について振り返ると、高校に入学して一番学んだ事は、何事にも恐れずチャレンジすることの大切さです。中学生の頃は失敗することを恐れ、人前にでることや何かに本気で取り組むことを避けてしまっていました。そんな私に高校説明会で大勢の前で発表する機会が与えられました。初めは以前のように断って逃げてしまおうとも考えましたが先生の後押しもあり挑戦してみました。すると大勢の前に立った時の景色やどこか強くなった気持ちを得られ、挑戦することの素晴らしさを知りました。夙川は自分をランクアップできる機会を与えてくださる学校だと思います。
明日から私たちはそれぞれの道に進みます。現代は新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、生活様式や価値観が大きく変化し、様々な問題が生じています。自分にはどうすることもできない事態に直面し呆然とするかもしれません。自分の力不足に嘆く日々が続くかもしれません。しかし、私たちは諦めません。度重なる困難に直面しても、夙川で高めたレジリエンスでその困難をはね返していきます。そしてこの学校のスローガンである「Learnig for tomorrow」を決して忘れることなく深い探究心をもって学び続け、国際性、コミュニケーション能力、専門性そして個性という武器を身に付け、日本で、そして世界で社会貢献することをここにお約束いたします。
最後になりましたが、今後の夙川高等学校のますますのご発展を祈り、答辞の詞とさせていただきます。
2023年3月4日 卒業生代表