頬を伝わる風が和らぎ、日ごとに春めいてきました。三年生の皆様、本日はご卒業誠におめでとうございます。在校生一同心よりお祝い申し上げます。
先輩方と初めてお会いしたのは対面式でした。高校生になったばかりの私達にとって、先輩方はとても大人びて見えました。間も無くあった部活動紹介。そこで先輩方と初めてお話しする機会があり、遠く感じていた距離が縮まっていくのを感じました。私は生徒会に所属していたことにより、先輩方との接点が増え、放課後の食堂や教室でお話しする機会が増えていきました。また、初めての高校生活、テストや行事で疲れた時にも、廊下で気軽に声をかけて下さり、明るい笑顔に元気を頂きました。
今年はコロナの関係で、例年通りの行事をすることも困難でした。しかし、その中で行われた体育祭。学年の垣根を越えて行われる体育祭は、昨年度以上の盛り上がりを見せ、どれも白熱したものとなりました。その中で最も心に残っているのはクラスパフォーマンスです。受験勉強や部活動の合間を利用しての短い練習期間だったのにもかかわらず、先輩方は目を見張るような洗練された演技を見せてくださいました。忙しくとも一つ一つ全力で取り組み、絶対に成功させてやるという心構えには圧倒されました。声を掛け合い一致団結した迫力あるパフォーマンスには、最高学年としての風格の違いを見せられました。
私たちには到底かなわない、先輩方の明るさや優しさ。それらは、この夙川を活気づけてくださいました。
細く険しいこの健康坂は、いくつもの困難を表しているのかもしれません。けれども、その坂の上にあるこの夙川高等学校で明るく一生懸命な先輩方を拝見していると、どんな困難にも立ち向かい未来へと向かっていける、そんな気がしています。景色の変わらない会下山と共に、当たり前のように過ごしていた先輩方との日々。それも今日で最後となりました。先輩方が御卒業されることをめでたく思う反面、頼れる先輩方が居なくなるのを寂しく思う気持ちもあります。しかし、私たちはこれからも先輩方の明るさ、優しさを引き継いで、皆様が将来、ふとこの夙川を思い出したとき、誇らしく思えるようなそんな活気ある学校にしていきます。
最後になりましたが、卒業生の皆様のこれからのご活躍とご健康をお祈りし、お祝いの言葉とさせて頂きます。
2021年3月7日 在校生代表