暖かい陽の光が降り注ぎ、木々の蕾も膨らみ始め、春を感じる季節となりました。本日、私たち中高一貫第4期生77名は夙川中学校を卒業します。理事長先生、学園長先生ならびに夙川中学校の先生方。本日はこのような素晴らしい卒業式を挙行してくださり、ありがとうございます。

 私たちは2022年4月、厳しい受験を乗り越え、中学校生活への不安や期待を胸に、夙川中学校に入学しました。先輩方はコロナの影響により行事の内容を変えざるをえないこともありましたが、私達は幸運なことに全ての行事を予定通りに行うことができました。入学してから始めての行事だったスプリングキャンプでは、集団行動に慣れていない私たちの未熟さが浮き彫りとなり、先生方のご指導もあって今後の学校生活や行事などで個々の意識を高め、団結力をつけなければならないと気付くことができました。それを踏まえたうえでのサマーキャンプ、長崎研修などを経験していくうちに、一人ひとりが自分で考えて行動する力や仲間と協力して目標を達成する団結力を徐々に高め、中学最後の行事であったアメリカ研修は今までで一番良い研修にすることができたのではないかと思います。

 私の中で特に印象に残っているのは海外研修です。アジア研修では私たちにとって初めての海外で、日本との文化の違いを実際に体感しました。事前学習をしていきましたが、ベトナム戦争の跡地に行くと想像以上に悲惨であったのだと感じました。またバスに乗っている途中、道に横たわっている人たちを見かける場面があり、その中に私と同い年くらいの子も見かけ、同じ国でも様々な暮らしや環境に違いがあるのを目の当たりにしました。戦争がない国に住み、何の心配もなく教育を受けられることが当たり前ではないと感じ、今の自分たちが恵まれていることに深く感謝するとともに、自分たちが平和のために何かできることはないか考え、努力し続けなければならないと思いました。そしてS1でのアメリカ研修ではアジア研修よりも英語を使う機会が多く、思うようにいかない場面もありました。でも、その度にアメリカの人たちは私の話を一生懸命理解しようとしてくれ、文法が完璧かどうかではなく互いに思いやりをもってコミュニケーションをとることが大切なのだと感じました。私はそんなアメリカの人たちの優しさに触れたからこそ、前よりもっと英語を勉強したいと思うようになり、毎日単語を覚えるなどの努力をしています。

 理事長先生。理事長先生は私たちの大事な場にいつも駆けつけてくださり、J1のスプリングキャンプでたまねぎ収穫体験を見に来てくださった時は私たち生徒とコミュニケーションをとってくださり、とても嬉しかったのを今でも覚えています。ありがとうございました。

 学園長先生。高野山サマーキャンプでは、お忙しい中講話をしてくださり一人ひとりの質問にも懸命に答えてくださいました。先生のお話を聞いて、自分のしたいことは何か?世界では何が起きているのか?などを考える機会が増えました。そして今まで以上に仲間を大切にしたいと思いました。ありがとうございました。

 学年団をはじめとする先生方。先生方からは厳しい中にも愛あふれるご指導を受け、それが私たちの日々の成長につながっていると感じています。ありがとうございました。

 そして保護者の皆様。この15年間、いつもそばで励まし、支え、私たちに深い愛情を注いでくださり本当にありがとうございます。厳しい受験を乗り越え、この夙川中学校に入学し、私たちがやりたいことに没頭できているのも保護者の皆様のおかげです。一番甘えられる存在なので迷惑をかけてしまったこともたくさんありました。まだまだ未熟な私たちですが、いつかこの翼を広げ大きな夢に向かって羽ばたいていくその姿を見届けてもらいたいです。どうぞこれからもよろしくお願いします。

 さて、私たちは4月から高校生になります。これからは今まで以上に自分自身と向き合う機会が増え、困難に直面することもあるかもしれません。それでも毎日を大切にしながら自分の目標に向かって全力で突き進み、成長し続けていくことを誓います。

2025年3月15日 卒業生代表